クラムボンは笑ったよ

見えないもの 根っこ、端っこにあるものを描きたい

仕合せ[一枚の写真からの詩]

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(写真は、福岡県の小倉北区、小文字山麓より)

 

この一枚の写真からの詩

 

『ベンチの独り言』


わたしは人が座るために
生まれた

 

山の麓の公園に行くことが決まった

きっと 家族連れの子どもたちが 私の周りをワイワイ走りまわったり 若いカップルがまあーるい愛を囁いたり 老人のふあぁーとした憩いの場になっなり‥

 

想像しただけで ワクワクウキウキした

 

 

しかし 現実は全く違ってた‥

 

ここにいて 待てど暮らせど
人はほとんど座ってくれない

 

理想と現実 

何のためにベンチは生きているのか?

岩になったように自分の役目がわからない

 

辛いのは人の役にたっていないことだ

 

毎日毎日 泣いて悲しみの中にいた

 

そんな打ちひしがれた気持ちで過ごして しばらく経った頃‥

 

ここに来たばかりの時は 警戒していた 猪や鳥 虫らが

徐々に訪れて来てくれるようになった

森の生き物たちが 少しずつ訪ねて来てくれて賑やかになっていった

 

夜になったら虫の演奏会が開かれる 楽しくて楽しくて 私に最高の時間た

 

大切な仲間たちに巡り逢えた‥

 

もう あれもこれも どれもこれも いらない

 

自然の中で

 

ありのままでいい

 

それが私の

 

仕合せ になったから

 

※「仕 + 合わせる」様々なことが重なり合って、物事は成り立ち、良いことも、悪いことも、全て含めて幸

 

はらだ けんじ