クラムボンは笑ったよ

見えないもの 根っこ、端っこにあるものを描きたい

海のガードレール

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"写真ドラマ"

※この写真をジィーと眺めて読んでください。

『海のガードレール』

ある山のガードレールは道路の端をガードしています! このガードレールは、草や虫、ネズミやイタチ、ヘビまでも守っているのです。夜がやって何やら話しだしました。
隊長『そろそろ出発するぞ』
班長『おーい!皆の者、今から海に向かって行進だ!朝までに海に入らなければならない!いいか!』
部下ら『おー!』
ガードレールたちは一心同体で歩き出しました。 
ドデンドデンドデンドデン
まだまだ海は遥か彼方です。隊長が叫びました。『車だ横につけろ!動くな!』
先日サビたレールの代わりに新しく入った部下が言いました。『何で海へと?』
先輩『魚たちや珊瑚礁を守るためだ!海にはガードレールが無い!地球の命を守るためには海の安全が絶対なのだ』
新人部下は涙を流し『そんな素晴らしいことを‥私ガードレールに生まれて来て良かった‥足が砕けようが、暗いうちに絶対に海に行きます』
ドデンドデンドデンドデン
隊長が叫びました。『おーい見ろ!』部下らは口々に言いました。『海だ海だ、我々は海のガードレールになれる』そして海に入ろうとした時‥
遠くに光が見えました。太陽です!ガードレールたちは『わーつ!』と言って一瞬にして消え去りました‥
先程の山を見ると何も無かったように、あのガードレールたちが立っていました‥。

白い車が太陽の光りを浴びて通り過ぎていきました‥。 おしまい。

※もう一度、この写真をジィーと眺めて読んでください。ガードレールたちのそんな声が聞こえてくるでしょう。こう生きたいな!夢みるガードレールが意地らしくて好きだ❣️

はらだ けんじ

(福岡県北九州市)